吸着剤騒動
こんにちは。
去年の暮れの話しなのですが、通販でリン酸・ケイ酸の吸着剤を購入しました。
購入したお店はAギフトさんで商品説明を見ると他社の吸着剤よりも吸着効果が高いと説明されていました。
これまではリン酸塩に対してはカミハタさんのフォスフェイトリムーバーを使用し、ケイ酸塩に対しては同社のシリケイトリムーバーを併用していました。
性能面は文句なしなのですが、サンプの中の場所を結構取るのが不満。
その点Aギフトさんの吸着剤は上記2つの除去能力が予め1つのパックに入れてあり、省スペースを実現できそう。
しかも商品説明では他社製品よりも吸着能力が強いという謳い文句まであるので購入してみました。
使用方法も濾過層に入れるだけなのでお手軽です。価格も他社製品よりも安いのは嬉しいところ。
さっそく濾過槽にセットして数日様子見してみました。
結果としてはケイ酸塩は試薬が無いので測っていませんが、リン酸塩に関しては試薬ではほぼ0ppmという結果になりました。
この結果はフォスフェイトリムーバーと同等ですね。
吸着スピードはひょっとしたら今回の吸着材の方が速いのかも知れませんが、検証していないのでその辺りは不明です。
ちなみに海水を作る時にいつも使ってるのは水道水でして、いつもは0.1〜0.2ppm程度は検出されています。
ここまでは順調だと思っていたのですが、、
残念ながらトラブルが起きてしまいました。
吸着材を入れた翌日くらいからあるミドリイシに変化が出てきました。
ミューカスなんでしょうか?粘液がいつまでも放出されています。
他のサンゴの色もなんだか全体的に褐色に傾いているような。
吸着材を急に変えた事で何かしらのショック的な事が起きたのか?
とりあえず簡単に水質を測ることに。
NH3(アンモニア)は魚やエビが普通に生活できてるので除外します。というか試薬持ってません。
測ったのはNO2(亜硝酸塩)とNO3(硝酸塩)、PO4(リン酸塩)です。
ちなみにこの水槽では上記の値は共に0ppmを維持できていました。(比色型試薬)
今回は・・・
PO4(リン酸塩)0ppmと判断できそう。
NO2(亜硝酸塩)0ppmと言ってもいいでしょう。
NO3(硝酸塩)5〜ppmの範囲で検出されました。
久々にこのような値を目にして驚きました。
直感で今回変更した吸着剤が原因だと考えてしまいましたが、本水槽の水質自体が低下している可能性も十分に考えられる事から、一概に判断する事は失礼です。
なので今回変更した吸着剤に因果関係があるのか検証する為に簡単に実験してみました。
新しく作った飼育水は水道水20Lとインスタントオーシャンの組み合わせになります。
水道水の硝酸塩は大体2ppm程度発生しています。
これに対して吸着材を投入し、約2時間攪拌してみます。ちなみにこの吸着剤は1パックで約50Lに対応しているようです。水量に対して多めとなります。
結果は・・・硝酸塩の値が確実に上昇していました。硝酸塩の上昇に関してはこの吸着剤の影響もあったと言えますね。
ちなみにリン酸塩ですが、2時間程度では吸着されない感じです。今回の実験の条件ではさすがに無理があったようです。
とまあこんな感じで残念ながらこの吸着剤の使用は断念することにしました。
Aギフトさんに連絡したところ、最初は若干疑われた感じでしたが、実際に自社で実験された結果、同様の結果が再現されたという事で返金対応して頂くことができました。
現在は販売を中止しているようですね。
原因としては吸着剤の表面に付着している白い粉状のものが考えられるとの事でした。
という事でさっさと全換水していきます。
原因となる白い粉状のものが溶解せずに沈澱していた場合も考えられる事から同様の反応が出る可能性も考慮してサンプも掃除することにします・・わずか130gの吸着剤のためにここまでやる事になるとは。。
ついでにマグネットポンプも分解・掃除しました。
この日以降リン酸塩の吸着剤はカミハタさんのフォスフェイトリムーバーに再び戻しました。
1週間以上経って検査したところ、0ppmを維持できているので一安心です。
もう今後はこれで行きたいと思います。
硝酸塩に関しても再び未検出となりました。
しかしこの値、毎日魚に結構な量の給餌をしているのにも関わらず未検出になるのはなぜだろう?
数年前までは硝酸塩の値はサンゴ飼育において必ず0ppmを維持しなければならないと言われていた記憶があるのですが、今現在は必ずしも0ppmにこだわる必要がないと聞くことがあります。
サンゴも動物なのである程度の硝酸塩は必要ということなのでしょうか?
現状はとりあえず一安心といったところです。
まとめ?
今回、リン酸塩を吸着するためのアイテムのはずが硝酸塩を放出していたというアクシデントにみまわれました。しかし非常に短期間での使用だったので生体への影響は極めて少ないと思われます。
ただ、サンゴのイジケ方や粘液の出し方から想像するに、ひょっとしたらもっと何かしらの歓迎すべきでない成分が放出されているのかもしれません。検証していいないので妄想に過ぎませんが。。
私の持っている検査試薬は非常に限定的なものしかなく、今回は硝酸塩の反応のみに注目して使用の中止を判断しました。
リン酸塩に関してはしっかり吸着していたと思われます。
硝酸塩の反応がなぜ出てしまったのかについては製造工程での問題なのかロットの問題なのかは正直なところ興味がなくわかりませんが、この商品を使っておられるユーザーさんは気を付けて観察した方がいいかもしれませんね。
結局は元のリン酸塩の吸着剤に戻ったというお話しでした。
では。